gebokuの日記

日々のアイドルヲタ活動を綴っていきます。

宝物

ー知ってたよ、あなたがいなくなるってこと

ー知らなかったよ、それがこんなに悲しいってこと

 

 【前回までのあらすじ】

アイドルイベントのお祭りで気になった子が即卒業発表し、ものすごくかっこいい人だなと好きになってちょっと引くくらい私がイベント参加しまくっていたというお話。

 

 

夢みたいに楽しくて濃い毎日を過ごしたとして何回イメージしても楽しく最後を迎えられるイメージが湧かなかったし、卒業発表のあとに参加したイベントの帰り道はとにかく寂しくて寂しくてしかたなかった。

 

イベントに行きチェキを撮って帰り際、笑顔でまたねって言われなくなる瞬間が来るって思うのがすごく嫌だった。

がむしゃらに現場に通うのはライブ中は頭の中からっぽにして楽しく過ごしている間は寂しさが紛れるという面もあった。

考えないようにしていたけれど、毎日寝て起きて時間の進みを感じる度に「もうちょっとゆっくりにならんもんかね?」と思っていたのに次のイベントが来るのが待ち遠しくて矛盾した思考がぐるぐる頭を回ってた。

それでも好きな子は一貫してこちらを気遣ってくれていて毎日優しい言葉をかけてくれたし、楽しませてくれようと一生懸命に最高のパフォーマンスをして話す時は明るかった。

私が現場に通っているのなんてこの時点で2ヶ月ちょっとなのにその期間は本当に特別だった。

 

これはヲタ友とも言っていたがはっきり言って我々はかなり特殊な部類に入ると思う。

単純に卒業を決めたアイドルを残り短い期間で全部休みなく行くなんてことは普通はしない。

期間限定ですぐいなくなってしまうのにその期間のお金と時間のほとんどをそこに費やすことに価値を見出す人間がどれくらいいるのだろうか。

でも私達はそれを判断して実行に移した。

それしかなかった。だって好きになってしまって会える期間が決まっているから。

これは持論だけれども人付き合いの輪が少ない私にとって"好き"はすごく特別なことだ。

かわいいなんてこの世の中に本当にあふれていて私はアイドルヲタクだからそれこそそれが当たり前というかベースがそこからの世界だと思っている。

「かわいい」=「好き」にはならないことのほうが圧倒的に多い。

好きになるきっかけは歌なのかもしれない、世界観なのかもしれない、パフォーマンスなのかもしれない、何気なくかけてもらった言葉なのかもしれない。

好きになったら考えるまでもない。会いたいなら会いにいくだろ。

それができるのがアイドルのヲタクっていう趣味だと思ってる。(偏差値2)

 

そんなふうに少しずつ過ぎていく毎日に寂しさを溶け込ませながらついに卒業公演当日が来てしまった。

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11月11日(土)ポッキー&プリッツの日で世間が浮かれている中、渋谷のでかいビジョンで「share is pockey」と流れる度に殺意が湧いたのを覚えている。

 

でも当日になると不思議とテンションが高かった。

今までこの日が来るのがめちゃくちゃ嫌で嫌で仕方なかったし、憂鬱な気持ちで迎えるんだろうなってずっと思っていた。

でも、意外と普通に起きて、持ち物を指差し確認しながら冷静に落ち着いてた。

自分でも「あれー?」と思いながら割と思い入れないのかと不思議に思いながら家を出た。

そこから好きな子が朝からお父さんとの素敵エピソードをジャブで打ってきたのでそれが急所に当たって瀕死になりながらも会場のディファ有明についた。

(これがすごく良い家族でエピソードの中身は当人のTwitter掘ってください)

到着する前とあるグループ最後の番組で好きな子の事務所がある原宿から卒業公演会場のディファ有明まで歩いて様々なMISSIONをこなしていくという企画を見て号泣していたので会場に着いた瞬間はやはり少し寂しくなってしまった。

入り口から物販の周りには今までのアイドル活動の中で撮ったと思われる写真で埋め尽くされていた。

私のような短い期間の人間にはいつのものかわからないような写真でいっぱいで本当にファンの人はすごいなと思った。

ライブ会場に入る前に卒業公演専用のTシャツを受け取り着替えた。

そのTシャツは卒業する赤い子がデザインしたのだがこれがまためちゃくちゃいいデザインだった。

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「YOU ARE OUR TREASURE」

→あなたは私達の宝物です。

すごくいい言葉だなと思いつつ、この「宝物」をどこか客観的に見ていて自分は入っていないと思っていた。

この2ヶ月ちょっと共に行動していたヲタ友は友達の結婚式があり、ライブの観覧は断念していた。

「友の結婚式を干すほど人間を捨てられない」と言っていたが、最後まで後ろ髪引かれるように会場から旅立っていった。

よって一人で見ることになったのだが、詳しい内容は割愛するが、とにかく素晴らしいライブだった。

残留メンバーからの手紙、卒業メンバーからの手紙、プロデューサーからの言葉は涙を誘い、もちろんライブは過去最高に楽しかった。

 

ライブ本編がすべて終わって自分が朝起きた時に不思議と悲しみがなかったのはなぜなのかわかった気がした。

この2ヶ月間正直できることはすべてやった。できる限り会いに行くのはもちろん最後まで言いたいこともはっきりと言えた。(好きですって言っただけだけど)

後悔する要素がなかったからスッキリと当日を迎えられたんだと気がついた。

私は自分が間抜けなことを知っているのであんまり信頼していないが、好きな子は信頼している。

それこそ少ない期間しか見ていないけれど、好きな子を信頼するには十分過ぎるほど濃い時間だった。

振り返って自分ができる限りのことをした。好きな子は最後まで最高のパフォーマンスを届けてくれる。

その2つが合わさったらこのあとの時間はもう悲しむ必要がないとなんとなくわかってたんだと思う。

 

ライブが終わって渾身の推しジャンとフリコピをしたあとだったので足が棒になりつつも、友の結婚式に向かったヲタ友の帰りを待ち会場の外をプラプラと歩きながらライブのどこが良かったとかを思い返していた。

最後の特典会、チェキを撮る時に何を話すべきなのか。

何回か考えたけれど答えは何回考え直しても一緒だった。

 

ヲタ友と最寄りの駅で待ち合わせて最後の特典会へ向かった。

会場に戻るとちょうど、特典会の休憩中でメンバーはいなかった。

何時間もチェキを取り続けているし、あんなに激しいライブ後でものすごく疲れるだろうし、休憩は必要だ。

その間我々は心の準備をしていた。

意を決してチェキを撮る列に並んだ。

自分の順番が来る前にずっと好きな子の顔を見ていた。

ニコニコ笑っていてやっぱりこの子のことが好きなんだなと思った。

自分の番が回ってきて言いたいことを言った。

「今日も最高のライブだった。オレは短い時間しか見ていないけれど、その時間はすごく大切なモノだし、あなたと出会えてよかった。ありがとう。またね。」

はっきりとは覚えていないけれど、こんなニュアンスのことを言った。

好きな子は「またね。」と言って笑った。

 

あまりにも短い時間だったけれど、これまでの時間をまとめるには十分だった。

このあと残っているお客さん全員と卒業メンバーでじゃんけんをしてチェキ争奪戦などがあったのだが、我々はすべて初回のじゃんけんで負けたので割愛する。

 

すべてが終わった。2ヶ月間を思い出してもやり残したことが見つからない。

ヲタ友も同じことを言っていた。

 

帰り、某番組の逆周でディファ有明から原宿まで二人で歩いて卒業発表からこの2ヶ月ちょっとを振り返りながら帰った。

(ダサいことに終電になってしまい途中で電車乗って帰ったけど)

神社に奉納した絵馬を見つけたり、神社にメンバーの願いが叶うように祈ったり、足つぼ的な道がある公園に行ったりしながら帰ってその時間も本当に楽しかった。

 

卒業公演から数日経ったある日、最後に撮ったチェキはお預けと言ってアイドルにあずけて一言書いて戻してくれるという制度にしたのでそれが戻ってきた。

写っている好きな子と自分は今までで最高の笑顔をしており、コメントを見てやっぱり好きな子を信じた自分は間違っていなかったことを再認識した。

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「YOU ARE OUR TREASURE」

自分が入っている意識を全くしていなかったけれど、意識したのかはわからないが短い期間のあの時間を好きな子は「宝物」と言ってくれた。

忘れるわけない。私にとってもあの時間は正真正銘、宝物だ。

これを受け取って本当に最後までスッキリとしたヲタクができたと本心から思う。

 

そして卒業公演からしばらく経ったある日、好きな子はちょこちょこ芸能活動を再開した。

12/15が最初に活動再開した日だったと思う。

妹も芸能活動をしており、私は好きな人の卒業前にとある番組に出ている妹さんの歌声を聞いて何度か会いに行った事がある。

その日は姉妹でラジオに出ていた。仕事をダッシュで終わらせて会場に向かった。

駅に着いてから会場に到着するまでニヤニヤが止まらなかった。

ラジオをすべてしっかりと聞いてチェキが撮れる特典会に並んで好きな子と喋れるタイミングを待った。

「おかえりなさい。ありがとう。」

第一声はちゃんと届いて、笑顔で返事をしてくれた。

 

そんなソロの芸能活動がちょこちょこ続いて年が明けたある日、好きな子とヲタ友の好きな子、好きな子の妹から重大発表があるということで日付が指定された。

この時点でワクワクが止まらなかった。

私は、パフォーマンスを見て好きな子を好きになった。

私は、歌を聞いて好きな子の妹のところにいくようになった。

ヲタ友はその子の世界観を好きになった。

その3人が一緒に発表してくれた。

新グループ「ゑんら」の結成を。

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この発表のとき本当に嬉しかった。

発表会場には直接足を運べなかったが、またあの素晴らしい時間が帰ってくる。

しかも、セルフプロデュースで本人たちのいいところを全面に出せる形で。

前年の卒業までの2ヶ月でもはや信頼感しか持っていなかった。

予想通り、楽曲も世界観もハマりにハマって現在も最高の時間を過ごしている。

11/2に無銭のライブがあるのでこの記事を読んだ人は絶対に来てほしい。

(意味深なタイトルだけどあまり気にしないでください)

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滝口ひかりさんへ

2ヶ月ちょっとで本当に色々な言葉と楽しさと気持ちをもらいました。

んでゑんらが結成して、まだ色々なモノをもらっています。

私は最初から結構変なファンだと思います。

そもそも普通あの卒業のタイミングで来ないし、よくわからないタイミングでよくわらからない物持ってくるし、直接会うと今でも全然しゃべらないし、喋ったとしても言ってること意味不明です。

それでもあなたが「ちゃんと見てるよ」って言ってくれていること、優しくしてくれていることにものすごく感謝しています。

たまに運営してくださっているご家族からメンバーから大変お世話になっていて、あと3回輪廻転生しても恩返しができる気がしないのですが、ちょっとずつでも返して行けたらいいなと思っています。

少しずつ変なところは直していっているつもりなので暖かい目で見ていてください。

あと、私が好きって言ったからにはかなり長期戦になるので覚悟していてください。

引き続きよろしくお願いします。

あ、大好きです。